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「開業したものの顧問先ゼロ。ミツモアなら登録無料で仕事が取れるって聞くけど、実際どうなの?」——開業直後の税理士なら一度は気になる疑問だと思います。結論からいうと、ミツモアは初期費用ゼロで始められる一方、手数料の仕組みを理解しないまま登録すると「思ったより手元に残らない」と後悔しやすいサービスです。
筆者は開業税理士ですが、ミツモアには現時点で登録していません。本記事は、ミツモア公式が公表している料金体系・仕組みをもとにした検証ベースの記事です。実際に使った体験談ではない点をあらかじめお伝えしたうえで、「登録する価値があるのはどんな税理士か」を開業当事者の視点で整理していきます。
ミツモアとは?税理士紹介会社と何が違う?

ミツモアとは、依頼者が地域の専門家(税理士・カメラマン・ハウスクリーニング業者など)から相見積もりを取れるマッチングプラットフォームです。税理士に特化したサービスではなく、幅広い業種の事業者が登録しています。仕事を探す側の税理士は「事業者(プロ)」として無料登録し、届いた依頼に見積もりを送って受注を目指します。
よく混同されるのが税理士紹介会社ですが、両者はまったくの別物です。
紹介会社は「営業を代行してもらう」サービスであるのに対し、ミツモアはプロフィールと見積もりの質で自力で選ばれにいくサービスです。営業の主導権が自分にある分、プロフィールを作り込まないまま登録しても、まず選ばれません。
紹介会社側の仕組みや手数料については、別記事で詳しく整理しています。
「紹介してもらう」のではなく「自分で応札する」イメージ。性質としては入札に近いんですよね。
ミツモアの手数料はいくら?【税理士は成約手数料最大38.5%】

ミツモアの税理士カテゴリは、登録料・月額費用が0円で、案件が成約したときに手数料が発生する「成約課金型」です。手数料率は依頼の種別によって変わり、税込16.5%〜38.5%の幅があります。「登録無料」は事実ですが、成約後の手数料は決して小さくありません。
公式公表情報を整理すると次のとおりです(2026年8月時点)。
注意したいのが顧問契約のケースです。公式ヘルプによると、確定申告などの案件が成約した後に顧問契約へ発展した場合も成約手数料の対象となり、別途請求される仕組みです。新たな契約や追加報酬が発生した場合は、成立から7日以内に運営への報告義務もあります。つまりスポット案件の報酬だけでなく、そこから生まれた顧問報酬にも手数料がかかる場合があるということです。
一方で、成約から一定期間が経過した後の契約は手数料の対象外となるケースも公式ヘルプに例示されています。細かい条件は改定される可能性があるため、登録前に必ず公式ヘルプと利用規約の別表で最新の手数料条件を確認してください。
出典:https://pro.meetsmore.com/posts/all/91856/https://pro.meetsmore.com/guide/pricing(いずれも2026年8月時点)
「登録無料」と「手数料が安い」は別の話。ここを混同したまま登録するのが一番危険です。
ミツモアで実際に仕事は取れる?依頼の種類と成約の仕組み
ミツモアでは、依頼者1件の依頼に対して最大5社(5人)が見積もりを送る相見積もり方式が採用されています。指名検索で選ばれるのではなく、依頼ごとに候補として並ぶ仕組みのため、登録したばかりで口コミがゼロでも受注のチャンスがある構造です。これは開業直後の税理士にとっては追い風といえます。
一方で、相見積もりで選ばれるかどうかは次の要素に大きく左右されます。
また、プラットフォームの性質上、入口になるのは確定申告やスポット相談といった単発・スポット型の依頼が中心になりやすい点も押さえておきたいところです。依頼者は「今困っていること」を解決するために相見積もりを取るからです。最初から高単価の顧問契約が転がり込んでくる場ではなく、スポット案件で信頼を作り、口コミを積み上げてから顧問につなげる場と捉えるのが現実的です。
なお、公式サイトには登録から9ヶ月で獲得報酬500万円超といった税理士の活用事例も掲載されています。あくまで公式が紹介する好事例ですが、「仕事自体は動いているプラットフォームである」ことの参考にはなります。
口コミゼロでも土俵に上がれるのは大きい。ただし、選ばれるかどうかは完全に準備次第です。
ミツモアが向いている税理士・向いていない税理士

ここまでの仕組みを踏まえると、ミツモアの向き不向きははっきり分かれます。結論としては、開業直後で「固定費をかけずに実績と口コミを作りたい」税理士には試す価値があり、「顧問中心・高単価に絞りたい」税理士には向いていません。
特に重要なのが値付けです。手数料が最大38.5%(税込)かかる前提なら、手数料込みで採算が取れる料金設計をあらかじめ作っておく必要があります。通常の料金表をそのまま出すと、手取りベースでは大幅な安売りになりかねません。「ミツモア経由の案件用の採算ライン」を先に決めてから登録するのが鉄則です。
料金表の作り方そのものは、こちらの記事で詳しく解説しています。
登録は無料なので、「まず登録して届く依頼の量と内容を見てから、本格稼働するか判断する」という使い方もできます。
手数料は「高いからダメ」ではなく「織り込めるかどうか」。広告費の後払いと考えると判断しやすいですよ。
ミツモアの登録から受注までの流れは?
ミツモアの事業者登録は無料で、Webだけで完結します。受注までの大まかな流れは次のとおりです。
無料で事業者登録する
公式サイトからメールアドレス等で登録します。この時点で費用はかかりません。
本人確認を完了する
本人確認書類を提出します。信頼性に関わるため早めに済ませておきましょう。
プロフィールを作り込む
実績・資格・対応サービス・写真・自己紹介を登録します。ここの完成度が受注率を左右する最重要工程です。
依頼を受信し、見積もりを送る
条件に合う依頼が届いたら、見積もりとメッセージを送ります。返信の速さも選ばれる要素です。
成約・業務開始
成約すると成約手数料が発生します。手数料条件は依頼種別で異なるため、案件ごとに確認しましょう。
登録作業そのものより、プロフィールの作り込みが実質8割です。「とりあえず登録だけ」で放置すると、依頼は届いても選ばれない状態が続きます。登録するなら、プロフィール完成までをワンセットにしてください。
プロフィールは事務所HPの縮小版。HPで使っている強み・実績の棚卸しがそのまま流用できます。
ミツモアの登録は本当に無料ですか?
税理士カテゴリは登録料・月額費用0円の成約課金型です(2026年8月時点)。費用が発生するのは案件が成約したとき(および手動応募時のポイント消費がある場合)です。
手数料はいつ・いくら発生しますか?
成約時に成約手数料が発生します。率は依頼の種別によって異なり、単発契約は税込16.5%、継続・顧問系は税理士カテゴリの代表値として税込38.5%が公式サイトに記載されています。最新の条件は公式ヘルプ・利用規約でご確認ください。
顧問契約になった場合も手数料はかかりますか?
スポット案件の成約後に顧問契約へ発展した場合も、成約手数料の対象となり別途請求される仕組みが公式ヘルプに記載されています。一方、成約から一定期間経過後の契約は対象外となる例示もあるため、条件の詳細は登録後に必ず確認してください。
税理士紹介会社とミツモアはどちらを使うべきですか?
営業を代行してほしいなら紹介会社、自分でプロフィールと見積もりを磨いて件数を取りにいくならミツモアが向いています。両者の違いは税理士紹介会社の記事で詳しく比較しています。
まとめ:ミツモアは税理士の「最初の実績づくり」に使えるか
ミツモアは、税理士が登録料・月額費用0円で始められる相見積もり型のマッチングサイトです。口コミゼロでも土俵に上がれる一方、成約手数料は最大38.5%(税込)と小さくなく、顧問契約に発展した報酬も手数料対象になる場合があります。
- 開業直後に固定費ゼロで実績と口コミを作る場としては、試す価値あり
- 手数料を織り込んだ採算ラインを先に決めてから登録するのが鉄則
- プロフィールの作り込みまでをワンセットで。「登録だけ」では選ばれない
登録は無料なので、まずは登録して自分の地域にどんな依頼が届くのかを確かめてから、本格稼働を判断するのが低リスクな進め方です。
ミツモアはあくまで営業手段のひとつです。顧問先ゼロから始める営業方法の全体像は、こちらの記事で整理しています。