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開業して顧問先を引き継いだら、会計データがぜんぶ「弥生会計」だった——。あるいは、これから会計ソフトを揃えるのに、freeeやマネーフォワードが主役の今、弥生は“今さら”なのか気になっている。
本記事は、そんな2つの立場の開業税理士に向けたものです。結論から言うと、弥生会計が「まだアリ」かどうかは、あなたの顧問先構成で決まります。
正直にお伝えすると、筆者の事務所はfreeeとマネーフォワードをメインに使っており、弥生は導入していません(弥生PAPにも未加入です)。だからこそ弥生を“推す”のではなく、「どんな事務所なら弥生が合うのか/合わないのか」を、公式の一次情報にもとづいてフラットに整理します(2026年7月時点)。
弥生会計とは?2026年のラインナップを整理

弥生会計とは、弥生株式会社が提供する会計ソフトで、デスクトップ版とクラウド版を合わせて国内最大級の導入実績を持つ老舗ブランドです。2026年時点では、大きく次の3系統に整理できます。
※表は横にスクロールできます。
出典:弥生会計 Next 料金プラン(https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/kaikei-next/price/)
ここで押さえておきたいのが、クラウド法人向けの主役が入れ替わった点です。従来の「弥生会計 オンライン」は2025年4月7日で新規契約の受付を終了し、後継は「弥生会計 Next」に一本化されました(出典:https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/kaikei-ol/kaikei-next/)。「弥生=古いデスクトップソフト」というイメージは、半分は正しく、半分はもう古い、というのが実態です。
まず「デスクトップかクラウドか」で棚を分けると、弥生の話はぐっと整理しやすくなります。
結論|弥生会計は「まだアリ」か?

結論として、弥生会計は「まだアリ」です。ただし全員におすすめではなく、既存顧問先に弥生ユーザーが多い事務所に有力、という条件付きです。ゼロから顧問先を開拓していく事務所なら、基本はクラウド勢(freee・マネーフォワード)を軸にした方がスムーズ、というのが筆者の立場です。
「まだアリか」を分けるのは、次の3つの軸です。
引き継いだ顧問先の多くが弥生デスクトップで長年運用していて、担当者も入力に慣れている——そんな事務所なら、無理に他社へ乗り換えるより弥生を続けるほうが合理的です。一方で、これから顧問先を新規開拓していく開業税理士なら、あえて弥生から始める必然性は高くありません。
「自分がゼロから選ぶ」のと「弥生の顧問先を引き継ぐ」のとでは、最適解が変わります。
なぜ既存顧問先は弥生が多いのか?

そもそも、なぜ弥生を使う顧問先はこれほど多いのでしょうか。理由は大きく3つあります。長年の圧倒的な導入実績、記帳代行・自計化の両方に対応できる操作性、そして会計事務所向けプログラム「弥生PAP」の存在です。
まず導入実績。弥生は個人・法人を通じて長くトップクラスのシェアを維持しており、「顧問先がもともと弥生だった」という状況が生まれやすい土壌があります。次に操作性。デスクトップ版は仕訳入力のスピードに強みがあり、簿記の知識を持つ担当者や記帳代行との相性が良いソフトです。
3つ目が弥生PAP(会計事務所向けのパートナープログラム)です。弥生PAP会員になると、パートナー版ライセンス(弥生会計 AE など)の利用、顧問先への製品紹介制度、そして弥生会計 Next対応の顧問先との事業所データ連携などが使えます(出典:https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/kaikei-next/function/zeirishi/)。事務所側が顧問先データを確認しやすい仕組みが整っていることも、弥生が選ばれ続ける理由です。
「顧問先がもう弥生」という現実の重みは、これから開業する人が思うより大きいものです。
逆に弥生をおすすめしにくいケースは?
一方で、弥生が第一候補になりにくい事務所もあります。結論として、これからゼロから顧問先を作る事務所や、リモート・自動化を重視する層が中心の事務所では、freeeやマネーフォワードなどのクラウド勢のほうが素直に合うことが多いです。これは弥生を貶める話ではなく、事務所の方向性しだいという意味です。
ただし誤解のないように補足すると、弥生会計 Nextもクラウドとして自動連携やAI仕訳、請求・経費の一体化に対応しています。「弥生=クラウドや自動化に弱い」は、Next登場後はもう当てはまりません。純粋な機能比較というより、既存資産と顧問先の顔ぶれで選ぶ、という理解が正確です。
具体的にfreee・マネーフォワードが向くケースは、それぞれの記事で詳しく解説しています。
freeeが向いている事務所・顧問先とは【顧問先に多数導入した税理士の視点】
マネーフォワードクラウドが向いている事務所・顧問先とは【MF公認メンバーの開業税理士が解説】
クラウド会計ソフト比較|freee・マネーフォワード・弥生【税理士視点】
「今うまく回っているものを、あえて変えない」のも、立派な選択です。
開業税理士が弥生を導入するなら(選び方と弥生PAP)

弥生を導入すると決めたら、いきなり契約せず、顧問先の実態から逆算するのが失敗しないコツです。結論として、「顧問先の使用ソフトの棚卸し → 自分用と顧問先用を分ける → 弥生PAPを検討 → 無料体験で試す」の順番で進めます。
顧問先の使用ソフトを棚卸しする
引き継ぐ関与先が弥生デスクトップか、弥生会計 Nextか、他社かを一覧化します。ここが選定の出発点です。
自分用と顧問先用を分けて考える
事務所の自計化支援用と、顧問先が自ら使う用でプランが変わります。法人は弥生会計 Next、個人はやよいシリーズが基本です。
弥生PAPへの入会を検討する
会計事務所向けプログラムで、入会するとパートナー版ライセンスや顧問先データ連携、紹介制度が使えます(会員ランク制)。弥生を扱う予定がなければ、まずは不要です。
最大2か月の無料体験で試す
弥生会計 Nextは初期費用0円・最大2か月の無料体験が可能です。実データで操作感を確かめてから本契約に進みます。
筆者自身は弥生PAPに加入していませんが、「顧問先が今どのソフトを使っているかを棚卸ししてからソフトを決める」という発想は、freeeやマネーフォワードを導入するときにも共通して効きました。ソフトありきではなく、顧問先ありきで選ぶ——ここは弥生でも他社でも変わりません。
まずは無料で操作感を確かめる
「事務所が使いたいソフト」より「顧問先が使えるソフト」を優先すると、月次がラクになります。
【まとめ】弥生会計はまだアリ?既存顧問先との相性で決めよう
弥生会計が「まだアリ」かどうかは、弥生の顧問先が多い事務所なら十分アリ、ゼロから作る事務所ならクラウド勢が基本、と顧問先構成で判断するのが結論です。「弥生 顧問先 多い」という状況にある開業税理士ほど、弥生を続ける価値は大きくなります。
- 既存顧問先に弥生が多い・デスクトップ資産がある → 弥生の継続・弥生会計 Next移行が有力
- これからゼロから開拓する → freee・マネーフォワードを軸に、必要に応じて弥生会計 Nextを併用
- 迷ったら、顧問先の使用ソフトを棚卸ししてから決める
弥生会計 Nextは初期費用0円・最大2か月の無料体験ができるので、既存顧問先との相性を確かめてから判断するのが安全です。
既存顧問先との相性を確かめてから決める
あわせて、他社を含めた比較や各ソフトの詳細は次の記事も参考にしてください。
クラウド会計ソフト比較|freee・マネーフォワード・弥生【税理士視点】
freeeが向いている事務所・顧問先とは【顧問先に多数導入した税理士の視点】
弥生会計 オンラインはもう契約できないの?
法人向けの「弥生会計 オンライン」は2025年4月7日で新規受付を終了し、後継はクラウドの「弥生会計 Next」です。既存契約者の扱いは弥生公式の案内を確認してください(2026年7月時点)。
弥生会計 Nextとデスクトップ版、どちらを選ぶ?
場所を選ばず請求・経費まで一体化したいなら弥生会計 Next、インストール型の操作性やオフライン運用を重視するならデスクトップ版(弥生会計 26/事務所向けは弥生会計 AE)が向きます。
開業税理士は弥生PAPに入るべき?
弥生を使う顧問先を担当する予定があるなら検討価値があります。入会でパートナー版ライセンスや顧問先データ連携、紹介制度が使えます。弥生を扱わないなら、まずは不要です。
顧問先が弥生デスクトップで、自分はクラウド…連携できる?
弥生PAP会員であれば、パートナー契約を結んだ事業所とデータを連携できる仕組みがあります。前提条件は弥生公式の案内を確認してください。
結局、弥生とfreee・マネーフォワードはどれがいい?
新規開拓が中心ならクラウド勢、既存の弥生顧問先が多いなら弥生、が基本線です。詳しくは比較記事で解説しています。