税理士として開業するとき、パソコンやデスク環境で「結局いくらかけて、何をどう選べばいいのか」で手が止まりがちです。会計ソフトも申告ソフトもクラウドも、すべてこの環境の上で動きます。
この記事では、開業税理士である筆者が実際に自分の事務所で使っている環境と、そこにかけた実額をベースに、開業時に揃えるパソコン・モニター・スキャナ・周辺機器の選び方をまとめます。個別の詳しい比較は各記事にゆずり、ここでは「まず全体像と目安をつかむ」ことをゴールにします。
税理士の開業時に揃えるPC・デスク環境とは?【全体像と実額】

税理士のPC・デスク環境とは、会計・申告ソフト、クラウド、e-Taxといった実務を「止めずに回す」ための土台のことです。開業税理士である筆者の場合、パソコン・モニター・スキャナ・デスク・椅子・周辺機器を一式そろえ、初日から業務を始められる状態にしました。
まずは筆者が実際にPC・デスク環境まわりに投じた実額を公開します。ここはケチると後から業務が詰まりやすい部分です。
| 品目 | 実額(筆者購入時・税込) |
|---|---|
| M4 Mac mini(24GB/据え置き) | 135,800円 |
| M4 MacBook Air 15インチ(16GB/持ち運び) | 198,800円 |
| Dell 31.5インチ 4Kモニター | 56,545円 |
| ScanSnap iX2500 | 49,918円 |
| 電動昇降デスク FLEXISPOT E7 | 60,690円 |
| ワークチェア(エルゴヒューマン プロ2) | 147,730円 |
| Magic Keyboard/Magic Trackpad | 47,596円 |
| Parallels Desktop+Windows 11(Home・Pro) | 53,344円 |
| M3 iPad Air 13インチ+Apple Pencil Pro | 150,600円 |
| その他(ケーブル・リストレスト・電源タップ・サーキュレーター等) | 約10,000円 |
| 合計 | 約91万円 |
※2025年10月〜2026年1月に購入した実額です。価格は変動します(各商品の最新価格は販売ページでご確認ください)。iPhone・Apple Watch・AirPods・Kindle・事務所家賃などは環境以外のため含めていません。デュアルで使っている27インチモニター(Dell U2720QM)は開業前の2021年に購入済みのため、この合計には含めていません。
上の表はiPadや高機能チェア、デュアルモニターまで含めた「こだわり込み」の構成です。最低限なら、パソコン+モニター1枚+スキャナ+椅子+デスクに絞れば、ここから大きく抑えられます。
道具は「安さ」より「業務が止まらないこと」で選ぶと、結局いちばん安上がりでした。
税理士のパソコンの選び方は?【メモリ・Mac+Windowsの実運用】

結論から言うと、税理士のパソコン選びで最優先すべきはメモリです。会計ソフト・申告ソフト・ブラウザ・PDFを同時に開く働き方では、メモリ不足が動作の重さに直結するためです。CPUやストレージより先に、まずメモリ容量を決めるのが失敗しにくい順番です。
筆者は次の2台を使い分けています。
- 据え置きのメイン機:M4 Mac mini(メモリ24GB)
- 持ち運び用:M4 MacBook Air 15インチ(メモリ16GB)
ノートかデスクトップかは、持ち運びの有無で決めて問題ありません。自宅や事務所内を移動するならノート、据え置きで画面を広く使うならデスクトップ+モニターが基本です。筆者は「事務所は据え置き、外出時はノート」と役割を分けています。
なお、税理士業務ではMacか Windowsかも悩みどころです。税務申告ソフト(達人・魔法陣など)はWindows専用のものが多いため、王道はWindowsです。一方で筆者はMacをベースにしつつ、Parallels Desktopで仮想的にWindows(Windows 11 Home/Pro)を動かし、Windows専用ソフトはそこで使っています。仮想環境を動かす分メモリを多く消費するため、Mac miniは容量に余裕のある24GBを選びました。
メモリは何GB必要か(8GB/16GB/24GB以上)は、扱うソフトと同時起動数で変わります。目安は比較記事にまとめています。
関連記事:税理士のPCメモリは何GB必要?8GB・16GB・24GBを比較
関連記事:コスパ最強はメモリ16GB|開業税理士におすすめのPC具体機種
関連記事:税理士のパソコンはMacで大丈夫?税務ソフト(達人など)とWindows環境の現実
筆者は「メモリだけは妥協しない」を合言葉にしています。
モニターは何枚・何インチがいい?【会計事務所はデュアルがおすすめ】

会計事務所のデスク環境では、モニターを1枚増やすだけで申告書と資料を並べて確認でき、入力ミスもチェック時間も減ります。税理士業務は「元資料を見ながら別画面に入力する」場面が多いため、モニターは費用対効果の高い投資です。
筆者は27インチと31.5インチのDell 4Kデュアル構成で作業しています。27インチ(Dell U2720QM)は開業前の2021年に購入したものを流用し、31.5インチ(Dell S3225QS-A・4K・56,545円)を開業時に買い足してデュアルにしました。片方に元資料、もう片方に入力画面を表示できるので、作業効率が体感ではっきり上がりました。1枚で始めても構いませんが、税理士業務では2枚構成を強くおすすめします。
最適なサイズ・枚数は机の広さと業務内容で変わります。サイズ・解像度・枚数別の考え方は比較記事で解説します。
関連記事:税理士のモニター比較|27インチ4Kデュアルが結論
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領収書スキャンはScanSnapで効率化【ペーパーレスの要】

ScanSnapとは、書類を高速に読み取ってPDF化できるドキュメントスキャナです(現在はリコー(PFU)ブランド)。税理士事務所では領収書・契約書・顧問先資料の電子化に使い、紙の管理コストを大きく下げられるのがメリットです。
筆者はScanSnap iX2500(2025年発表の現行フラッグシップ・49,918円で購入)を実際に使っています。現行ラインナップはiX2500・iX2400・iX1300・SV600があり、読み取り枚数やサイズで選び分けます。機種ごとの違いは比較記事にまとめています。
ScanSnap比較|iX2500・iX2400・iX1300・SV600どれを選ぶ?
スキャンしたデータの保存先(クラウド運用)まで決めておくと、ペーパーレスが定着します。
関連記事:ScanSnap比較|iX2500・iX2400・iX1300・SV600どれを選ぶ?
「まず1台入れる」だけで、机の上の紙が目に見えて減りました。
その他あると効率が上がる周辺機器は?【デスク・椅子・入力機器・ネット環境】
パソコン・モニター・スキャナがそろったら、あとは長時間の作業を支える周辺機器を必要に応じて足します。税理士業は座って入力する時間が長いため、椅子とネット環境は妥協しないのがおすすめです。
椅子とデスクは金額が大きくなりがちですが、体を痛めると業務そのものが止まるため、筆者は優先度を高めに置きました。入力機器は毎日長時間触れるので、相性で選ぶと作業が快適になります。
税理士のPC・デスク環境でよくある質問(FAQ)
開業時のPC・デスク環境の予算はどれくらい見ておけばいい?
構成によります。筆者はデュアルモニターや高機能チェアまで含めておよそ91万円をかけましたが、最低限(パソコン+モニター1枚+スキャナ+椅子+デスク)に絞れば大きく抑えられます。
税理士はMacとWindowsどちらがいい?
税務申告ソフトはWindows専用のものが多いため、王道はWindowsです。筆者のようにMacをベースにParallels Desktopで仮想Windowsを動かす方法もありますが、その場合はメモリに余裕のある構成を選んでください。ただしParallelsでの完全動作は保証されないため、使う予定の税務ソフトの動作保証環境を必ず確認し、専用Windows機も検討してください。
中古パソコンでも税理士業務はできる?
動けば可能ですが、メモリ容量とサポート期間(OSの対応状況)を必ず確認してください。業務が止まるリスクを避けるなら、メモリに余裕のある構成が無難です。
メモリは後から増やせる?
機種によります。Macなど増設できないモデルもあるため、購入時に必要量を満たしておくのが安全です。
まとめ|税理士のパソコン・デスク環境は「業務が止まらない」を最優先に
税理士のパソコン・デスク環境は、安さより「業務が止まらないこと」を基準に選ぶと結局いちばん効率的です。メモリを軸にパソコンを決め、モニターはデュアルで作業効率を上げ、ScanSnapでペーパーレス化し、デスク・椅子・周辺機器で作業を支える——この順で整えれば、開業初日から実務を回せます。
各パーツの詳しい選び方は、以下の比較記事で解説しています(順次公開)。
- 関連記事:税理士のPCメモリは何GB必要?
- 関連記事:税理士のモニター比較
- 関連記事:ScanSnap比較
開業全体の流れは総合ロードマップにまとめています。あわせてどうぞ。