税賠保険への加入判断を表す盾と書類の図解

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税賠保険は入るべき?開業税理士が加入した補償内容と保険料【1型+事前特約の実額】

※本記事にはプロモーションが含まれています。

税理士登録が済むと、税理士証票の交付式の場で「税賠保険」の案内を受けます。筆者もその場で初めて具体的に検討し、開業初年度の3月に申し込みました。「まだ顧問先もほとんどいないのに、保険料を払う意味はあるのか」と迷う人は多いはずです。

結論から言うと、筆者は開業と同時に加入する側を選び、いちばん支払限度額の低い1型に事前税務相談業務担保特約を付けました。 この記事は、開業税理士である筆者が実際に加入したプラン・払った保険料の実額・そう決めた理由を、日税連保険サービスの公表資料で確認できる範囲の制度説明と合わせて整理したものです。約款の解釈や個別の事故が補償されるかどうかには踏み込みません。その部分は必ず公式資料で確認してください。

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税理士YC

中卒・元パチプロ。10年間の受験生活を経て税理士になった、開業したての税理士です(2026年2月開業)。「普通のルート」を通ってこなかったからこそ分かる、開業のリアルや失敗を発信しています。

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税賠保険とは?対象になる業務・ならない業務

税賠保険とは、正式名称を「税理士職業賠償責任保険」といい、税理士が資格に基づいて行った業務に起因して損害賠償請求を受け、法律上の賠償責任を負った場合の損害に保険金が支払われる保険です。日本税理士会連合会(日税連)を保険契約者、税理士・税理士法人を保険加入者とする団体契約で、保険期間は毎年7月1日午後4時から1年間です。個人用保険(開業税理士・所属税理士)と法人用保険(税理士法人)の2種類があります。

公式の概要ページ(2026年8月時点)で示されている主契約の対象業務は、次のとおりです。

主契約の対象となる税理士業務(公式概要より・2026年8月時点)

  • 税理士法第2条第1項業務:税務代理・税務書類の作成・税務相談
  • 上記に付随して行う財務書類の作成・会計帳簿の記帳の代行(税理士法第2条第2項。「その他財務に関する事務」を除く)
  • 裁判所における補佐人としての陳述(税理士法第2条の2、第48条の6の委託業務)

一方で、公式概要は主契約の対象に含まれない例も明示しています。社会保険労務士業務、会計参与、成年後見人、遺産分割・遺贈に関する相談・助言、印紙税・登録免許税・関税、法定外普通税・法定外目的税、法令に特段の規定のない経営指導(助成)業務などです。「税理士事務所で受けた仕事なら何でも対象」ではない、という点は加入前に押さえておく必要があります。

もう一つ、開業したばかりの人にとって重要なのが、主契約は「保険期間中に損害賠償請求を受けた」ことを基準にしている点です。公式概要では、税理士業務を行った時点(申告書の作成提出など)の保険加入有無は問わない旨が記載されています。つまり、開業直後に受任した仕事について数年後に請求を受ける可能性を考えると、加入のタイミングを先延ばしにする理由は思ったより少ないと筆者は受け止めました。

出典:株式会社日税連保険サービス「税理士職業賠償責任保険」 https://www.zeirishi-hoken.co.jp/zeibai/index.html

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「対象外の業務」の一覧は意外と見落としがち。遺産分割の助言や社労士的な業務は主契約の外だと知っておくだけで、受任の仕方が変わります。

開業税理士は税賠保険に入るべき?結論と判断の軸

開業税理士である筆者の結論は、「加入する。ただしプランは最低限から始める」です。加入は任意ですが、公表資料によれば個人用保険の加入割合は56.60%(2025年度・2026年8月時点の公式掲載値)で、開業税理士の過半数が加入しています。判断に迷ったとき、筆者は次の3つの軸で考えました。

筆者が加入を決めた3つの判断軸

  • 受任している業務の性質:申告書作成・税務相談という主契約の中心業務を、開業初日から受けている
  • 請求ベースの補償:業務を行った時点ではなく請求を受けた時点の保険期間で見るため、「まだ小さいから後で」が成り立ちにくい
  • 費用感:筆者の加入プランで月額換算3,120円。開業初期の固定費として吸収できる水準だった

逆に、「税賠保険に入っていれば安心」という考え方は筆者は取っていません。前の見出しのとおり対象外の業務は明確にあり、保険金の支払い可否は事故ごとに保険会社が判断するものです。保険はあくまで最後の受け皿で、日々の業務のミスを減らす仕組みづくりのほうが先です。この点は、開業でつまずきやすいポイントをまとめたハブ記事のほうで扱っています。

関連記事:税理士開業でつまずくポイントまとめ|失敗しやすい5領域と回避策

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「加入率が高いから入る」ではなく、「自分の業務が主契約の中心にある」から入る。この順番で考えると、迷いが減ります。

主契約タイプの選び方|1型〜7型の支払限度額と1型を選んだ理由

主契約は支払限度額の違いで1型から7型までの7段階に分かれています。筆者は最も低い1型(1請求につき500万円・保険期間中1,000万円)を選びました。 開業初期で顧問先の規模が小さく、まずは制度に入ることを優先したためです。

主契約タイプ 1請求につき 保険期間中
1型 500万円 1,000万円
2型 1,000万円 2,000万円
3型 3,000万円 6,000万円
4型 5,000万円 1億円
5型 1億円 2億円
6型 2億円 4億円
7型 3億円 6億円

(出典:日税連保険サービス 保険料計算シミュレーター〈新規加入・開業税理士〉2026年8月時点 https://www.zeirishi-hoken.co.jp/sim_2025/index.html

公表されている2025年度の主契約タイプ別加入件数を見ると、個人用保険では1型が10,193件で最も多く、次いで2型8,725件、3型5,069件と続きます(2026年8月時点の公式掲載値)。開業したばかりの税理士が1型から入るのは、数字の上でも珍しい選択ではありません。

筆者が1型で足りると考えた理由は次のとおりです。

  • 開業初年度で、受任している顧問先の事業規模が小さい
  • 相続税など1件あたりの税額が大きくなりやすい業務を、現時点では主力にしていない
  • 保険期間の途中でも補償内容の変更(差額計算)ができる仕組みが公式に用意されているため、業務が変わったら見直せる

支払限度額をどこに置くかは、扱う税目と顧問先規模で変わります。「1型が正解」ではなく「開業初年度の筆者には1型が合っていた」という一次情報として読んでください。

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迷ったら「いま受けている仕事で、最悪いくらの請求が来るか」を具体的に想像する。開業直後はその金額がまだ小さいはずです。

事前税務相談業務担保特約は付けるべき?筆者が付けた理由

事前税務相談業務担保特約とは、主契約の税務相談には該当しない「事前税務相談業務」による過大納付税額(還付不能税額)・費用損害のリスクを補償する有料オプションです。筆者はこの特約を付けました。 税理士証票の交付式で税理士会側から付帯を勧められたことが直接のきっかけですが、内容を確認して自分でも必要だと判断しています。

公式概要では、「申告書等の作成に関し、課税標準等の計算に関する事項についての相談業務」(税理士法第2条第1項)は主契約の対象で、それに該当しない事前の相談がこの特約の対象と整理されています。特約の支払限度額は主契約と同額ですが、上限は1請求につき1億円・保険期間中2億円です(2026年8月時点・公式シミュレーターの記載)。

筆者が付けた理由は単純で、開業税理士の仕事は「これから法人化したい」「この取引をどう組むべきか」といった、課税関係が確定する前の相談から始まることが多いからです。申告書を作る前の相談で顧問契約が決まる、という開業初期の営業実態を考えると、主契約だけでは自分の業務の入口がカバーされないと感じました。

なお、公表資料によれば個人用保険で事前特約を付けている割合は57.48%(2025年度・2026年8月時点)です。付ける・付けないが半々に近い特約なので、自分の業務で「事前の相談」がどれだけ発生するかで判断してください。

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筆者は交付式で勧められて即決に近かったのですが、後から公式資料を読み直しても判断は変わりませんでした。相談から始まる仕事が多い人ほど、検討する価値があります。

情報漏えい・サイバーリスク担保特約は?筆者が見送った理由と再検討のタイミング

情報漏えい・サイバーリスク担保特約とは、情報漏えい(またはそのおそれ)やコンピュータ使用に起因して発生する賠償リスク・費用損害リスクと、サイバー攻撃等による対応費用を補償する有料オプションです。筆者は現時点では見送っています。 開業初期の固定費を抑えることを優先し、まず主契約と事前特約を確保する判断でした。

特約はA型からD型まで4段階で、賠償責任と事故対応費用それぞれに支払限度額が設定されています(2026年8月時点・公式シミュレーターの記載)。

特約タイプ 賠償責任(1請求/保険期間中) 事故対応費用(1事故/保険期間中)
A型 500万円 250万円
B型 1,000万円 500万円
C型 3,000万円 1,500万円
D型 5,000万円 2,500万円

公表資料によれば、個人用保険でこの特約を付けている割合は37.93%(2025年度・2026年8月時点)で、事前特約より低い水準です。

ただし、見送ったからといって情報漏えいのリスクを軽く見ているわけではありません。筆者は、顧問先データをクラウドで共有し、パスワード管理ツールを使い、スキャナで紙を電子化する運用をしています。運用の土台側で守ることを先にやり、保険は次のタイミングで検討するという順番です。再検討するのは、スタッフを採用して端末やアカウントが増えたとき、あるいは顧問先とのデータ共有の範囲が広がったときと決めています。

税理士YC
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「付けない」と決めたなら、いつ見直すかも一緒に決めておく。筆者は「人を雇ったら」を再検討の合図にしています。

保険料はいくら?筆者の実額と支払いスケジュール

主契約の保険料は、支払限度額(タイプ)と事務所の人員数で決まり、特約を付ける場合はその保険料が加算されます。開業税理士である筆者(所長税理士1名・1型・事前特約あり・情報漏えい特約なし)の場合、年額換算で37,440円、月額換算で3,120円でした(2026年加入時の実額)。

筆者の税賠保険料(実額・2026年)

  • 加入内容:個人用保険 1型 + 事前税務相談業務担保特約(所長税理士1名・職員0名)
  • 初年度(2026年4月1日開始):4〜6月分の3か月分として9,360円を口座振替
  • 2年目以降:年払い。年額換算37,440円(月額換算3,120円)
  • 会計処理:筆者は事務所の経費として計上し、翌年分にかかる部分は前払費用で期間按分している

公式概要によれば、初年度は加入月数分を一括払い、2年目以降(契約更新)は年払いです。初回のみ保険料は後払い(保険開始後に口座振替)で、契約更新の口座振替日は毎年6月27日頃と案内されています(2026年8月時点)。

保険料そのものは人員数やプランで変わるため、この記事では他のプランの金額は載せません。自分の事務所の条件で見たいときは、公式の保険料計算シミュレーターで人員数・タイプ・特約を選ぶのが確実です。

シミュレーター(新規加入・開業税理士):https://www.zeirishi-hoken.co.jp/sim_2025/index.html

保険料率表や免責金額など、パンフレット・約款にのみ記載されている項目は本記事では扱いません。上記シミュレーターと、公式ページで配布されている2026年度新規加入用パンフレットで確認してください。

開業直後の固定費という意味では、社会保険や年金の支払いと同じ棚に並べて把握しておくと管理しやすくなります。

関連記事:開業税理士の社会保険はどうする?国保・国民年金・小規模企業共済の選び方【筆者の実例つき】

税理士YC
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月3千円台という数字は、顧問料1件の一部で賄える水準。筆者はこの費用感を見て「後回しにする理由がない」と判断しました。

加入手続きの流れ|登録直後の申込から加入者証まで

加入手続きは、加入申込書を取り寄せて日税連に郵送し、締切の翌月1日から保険が始まるという流れです。筆者は2026年3月に申込書を提出し、4月1日から保険が開始しました。 加入者証は保険料の口座振替後に郵送されます。

公式ページ(2026年8月時点)の案内をもとに整理すると、次のようになります。

  1. 加入申込書を請求する(公式サイトの「保険加入申込書請求窓口」から。保険の種類・税理士登録番号などを伝える)
  2. 加入申込書に記入・押印し、日本税理士会連合会 総務2課へ郵送する
  3. 申込締切は毎月20日の到着分(20日が休業日の場合はその前営業日)。ただし毎年4月21日〜5月20日は募集なし、年度の受付は4月20日到着分で終了
  4. 保険開始は締切日の翌月1日午後4時から。保険終期は毎年7月1日午後4時
  5. 保険料は保険開始月の27日に口座振替(初回のみ後払い)
  6. 加入者証は口座振替後、保険開始日の翌月末頃に郵送(申込受付から約3か月)
  7. 2年目以降は、4月上旬に更新案内が届き、変更がなければ自動更新。変更依頼書の提出締切は5月20日頃、口座振替は6月27日頃、7月1日に更新開始

筆者の場合、3月中に申込書が到着したので4月1日開始となり、初年度分は4〜6月の3か月分の保険料でした。税理士登録が完了する時期によって初年度の月数が変わるため、登録直後にすぐ動くかどうかで最初の支払額も変わります。

出典:株式会社日税連保険サービス「税理士職業賠償責任保険」加入申込と更新スケジュール https://www.zeirishi-hoken.co.jp/zeibai/index.html

税理士YC
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「20日到着締切→翌月1日開始」を覚えておくだけで、登録直後の段取りが立てやすくなります。加入者証は3か月ほど後に届くので、届かなくても慌てなくて大丈夫です。

よくある質問

税賠保険は保険期間の途中からでも加入できますか?

できます。公式概要では、保険期間(毎年7月1日から1年間)の途中からも加入でき、初年度は加入月数分の保険料を一括で払う仕組みと案内されています(2026年8月時点)。筆者も3月申込・4月1日開始で途中加入しました。

開業直後に受けた仕事のミスが数年後に発覚した場合、その時点の保険で対応されますか?

公式概要によれば、主契約は「保険期間中に損害賠償請求を受けた」ことを基準にしており、税理士業務を行った時点の加入有無は問わないと記載されています(2026年8月時点)。個別の事故が補償されるかどうかは保険会社の判断になるため、詳細は約款・パンフレットで確認してください。

事前税務相談業務担保特約や情報漏えい特約だけに加入できますか?

いずれも主契約の有料オプションとして位置づけられており、主契約に加えて付帯する形です。特約単独の商品ではありません(2026年8月時点・公式概要)。

所属税理士でも加入できますか?

公式概要では、個人用保険の対象は開業税理士と所属税理士(直接受任業務を行う場合)とされています。所属税理士用の加入申込書が別に用意されています(2026年8月時点)。

2年目以降の更新は自動ですか?

変更がなければ自動更新です。公式の更新スケジュールでは、4月上旬に更新案内が郵送され、変更または更新しない場合のみ変更依頼書を提出し、6月27日頃に口座振替、7月1日に更新開始と案内されています(2026年8月時点)。

まとめ|税賠保険は開業と同時に検討する

税賠保険を開業時に入るべきかどうかは、公表されている加入割合ではなく、自分の業務が主契約の中心にあるかどうかで判断するのが筋だと筆者は考えています。開業税理士である筆者は、1型に事前税務相談業務担保特約を付けて年額換算37,440円という最低限の構成で加入し、情報漏えい特約はスタッフ採用などのタイミングで再検討すると決めました。

補償の対象外となる業務が明確にあること、保険金の支払い可否は事故ごとに判断されることは、加入前に公式資料で必ず確認してください。この記事の制度説明はすべて2026年8月時点の日税連保険サービスの公表内容に基づいており、料率や制度は毎年見直されるため、申込時点で最新のパンフレット・シミュレーターを確認することをおすすめします。

保険は最後の受け皿です。日々の業務でつまずかないための仕組みは、以下のハブ記事にまとめています。

関連記事:税理士開業でつまずくポイントまとめ|失敗しやすい5領域と回避策

関連記事:開業税理士の社会保険はどうする?国保・国民年金・小規模企業共済の選び方【筆者の実例つき】

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