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税理士の開業挨拶状は必要?出さなかった私の判断と文例・送り先の決め方

税理士登録が済んで、いよいよ事務所を開ける。そのタイミングで多くの人が調べるのが「開業挨拶状って出すものなの?」という疑問です。文例を探しているうちに、本当に迷うのは文面ではなく誰に送るかだった、というところに行き着いた方も多いと思います。

筆者は2026年2月に税理士登録・開業しましたが、紙の開業挨拶状は1通も出していません。この記事では、出さなかった理由と、それでも仕事につながった導線、そして出す場合の送り先の線引き・文例・費用までをまとめます。

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税理士YC

中卒・元パチプロ。10年間の受験生活を経て税理士になった、開業したての税理士です(2026年2月開業)。「普通のルート」を通ってこなかったからこそ分かる、開業のリアルや失敗を発信しています。

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税理士の開業挨拶状とは?出すのは義務なの?

開業挨拶状とは、税理士登録と事務所開設を関係者に知らせるための書面です。法令上の義務ではありません。税理士法にも税理士会の会則にも「開業時に挨拶状を出さなければならない」という規定はなく、出すかどうかは完全に任意です。

出す場合の時期は、税理士名簿への登録が完了して登録通知を受け取ったあとになります。登録前は税理士を名乗れないため、事務所開設を告知する文面も出せません。登録手続きの流れと所要期間は税理士登録の流れを解説した記事でまとめています。

挨拶状に期待できる役割は次の3つです

  • 登録・開業という事実を、こちらから正式に伝える
  • 事務所名・所在地・連絡先を相手の手元に残す
  • 「困ったら声をかけてよい相手」として想起してもらう

逆にいえば、この3つを別の手段で満たせるなら、紙の挨拶状は必須ではありません。筆者はそう判断しました。

税理士YC
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「開業したら挨拶状」は慣行であって、ルールではないんですよね。

筆者は開業挨拶状を出しませんでした【実体験】

開業税理士である筆者は、2026年2月の登録・開業にあたって紙の挨拶状を一切出していません。告知はホームページとSNSアカウントの2つだけです。それでも初回の顧問契約は開業と同時期に決まりました。

出さなかった理由は3つあります。

挨拶状を出さなかった3つの理由

  • 送り先リストが手元になかった。前職で担当していた顧問先の名簿は前職のものであって、自分のものではない
  • 相手が「調べたら出てくる」状態を作るほうが優先だと考えた。挨拶状を受け取った人も、結局は名前で検索する
  • 紙は届いた一度きりだが、HPは残り続ける。開業直後の限られた時間と資金をHPに寄せた

ただし、挨拶状を出さないことと、世話になった人へ礼を尽くさないことは別の話です。筆者の場合、税理士登録の手続きで在職証明書の発行や書類への押印を前職の会計事務所にお願いしていました。そのため登録完了後、事務所の全員分の菓子折り(ケーキ)を持って直接お礼に伺っています。

紙の挨拶状より、世話になった相手に直接会いに行くことのほうが優先度は高いというのが、実際にやってみての感想です。挨拶状は「会いに行けない相手」に届けるための手段だと考えると、送り先の判断もしやすくなります。

税理士YC
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一斉送付の紙より、直接持っていく菓子折りのほうが記憶に残ります。

開業挨拶状の送り先はどう決める?【一番迷うところ】

開業挨拶状の送り先を4区分に分けて判断軸を整理した図

送り先は「関係の濃さ」ではなく、その相手の連絡先を自分が正当に持っているかで切り分けるのが最初の判断軸です。相手ごとに性質がまったく違うため、4区分に分けて考えます。

※スマホでは表を横にスクロールできます。

送り先の区分送付の可否判断のポイント
前職の同僚・上司送りやすい個人的な関係。ただし直接会えるなら訪問のほうが丁寧
前職で担当していた顧問先慎重に判断連絡先の出所が前職の名簿かどうかが分かれ目
税理士会・同業の知人送りやすい名刺交換など自分の関係で得た連絡先
友人・知人・金融機関など送りやすい士業以外への告知。事務所情報が伝わればSNSでも可

問題になりやすいのは2つ目です。前職の顧客名簿は前職のものであって、自分が持ち出してよいものではありません。筆者も開業前に「担当していた顧問先を引き継がないか」という話が出ましたが、引継ぎは受けない方針にしました。顧問先が誰に依頼するかは顧問先が決めることであって、前職と自分の間で決める話ではないと考えたからです。

送り先を決める前に確認したいこと

  • その連絡先は、自分の名刺交換や個人的な関係から得たものか
  • 前職の顧客に送る場合、前職側と話がついているか
  • 文面が「顧客の勧誘」ではなく「開業の報告」にとどまっているか

なお、開業挨拶状も内容によっては業務広告として扱われる余地があります。日本税理士会連合会は業務広告について細則と運用指針を定めており、事実に反する広告、誤認のおそれのある広告、誇大な広告、他の税理士との比較広告などが禁止類型とされています。挨拶状で節税効果や報酬の安さを強調するような書き方は避けるべきです。具体的な範囲は所属する税理士会が公表している会則・細則で確認してください。

税理士YC
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「送ってよいか」で迷ったら、まず連絡先の出所をたどるのが早いです。

開業挨拶状には何を書く?構成要素と文例

開業挨拶状に書く5つの構成要素と並び順を整理した図

挨拶状の文面は定型で問題ありません。凝った表現よりも、事務所名・所在地・連絡先が正確に読み取れることのほうが重要です。

以下の文例は一般的な様式をもとに作成したもので、筆者が実際に送付した文面ではありません。そのまま使うのではなく、自分の状況に合わせて調整してください。

挨拶状の構成要素

  • 時候の挨拶と、相手への日頃の感謝
  • 税理士登録と事務所開設の報告(登録年月・開業年月)
  • これまでの経歴と、今後の抱負を簡潔に
  • 事務所名・所在地・電話番号・メールアドレス・HPのURL
  • 結びの言葉と差出日・氏名

文例①:前職関係者・同業者向け

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。在職中は格別のご指導を賜り、厚く御礼申し上げます。

さてこのたび、税理士登録を完了し、下記のとおり事務所を開設いたしました。これまでの経験を活かし、地域の事業者の皆様のお力になれるよう努めてまいります。

今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。まずは略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます。 敬具

文例②:知人・取引先向け

謹啓 平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。

このたび税理士登録を行い、下記に事務所を開設する運びとなりました。決算・確定申告から日々の経理体制づくりまで、お困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。

何卒よろしくお願い申し上げます。 謹白

事務所名をどう決めるかで迷っている段階なら、先に税理士事務所の名前の決め方を読んでおくと、挨拶状に載せる表記もぶれません。

開業挨拶状を出すといくらかかる?はがきと封書の比較

開業挨拶状をはがきで送る場合と封書で送る場合の違いを比較した図

郵送費だけで見ると、100通あたりの差は2,500円ほどです。通常はがきは1通85円、定形郵便物(50g以内)は1通110円です(日本郵便の国内料金表・2026年9月時点)。

※スマホでは表を横にスクロールできます。

形式郵送費(1通)100通の郵送費向いている場面
通常はがき85円8,500円広く簡潔に知らせたい/枚数が多い
定形封書(50g以内)110円11,000円二つ折りカード+名刺を同封したい
往復はがき170円17,000円返信が必要な場合(開業案内では通常不要)

出典:日本郵便『国内の料金表』

これに印刷費が加わります。印刷費は業者・部数・用紙で幅が大きいため、ここでは断定しません。複数社に見積もりを取るのが確実です。

郵便料金は改定されることがあります。まとめて発送する前に、必ず日本郵便の公式料金表で最新の金額を確認してください

税理士YC
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枚数が読めない段階なら、まず10通だけ作って様子を見る方法もあります。

挨拶状を出さないなら、開業をどう知らせる?

紙を出さない場合でも、告知手段は複数あります。筆者が実際に使ったのはホームページとSNSの2つですが、地域の事業者に届くという意味ではGoogleビジネスプロフィールの効果が最も早く出ました。

挨拶状以外の告知手段

  • ホームページ:事務所情報の置き場所。挨拶状を受け取った人も結局ここを見る
  • Googleビジネスプロフィール:地域名での検索に対応。開業直後でも表示される
  • SNS:知人経由の一次接触が生まれやすい。筆者の初回契約もここから
  • 直接訪問:世話になった相手には、紙より早く確実に伝わる

どの手段をとるにしても、事務所名で検索したときに情報が出てくる状態を先に作っておくことが前提になります。HPの作り方は税理士事務所のHP・ブログを自作する完全ガイドに、告知を実際の契約につなげる動き方は顧問先ゼロから始める税理士の営業方法にまとめています。

開業挨拶状は税理士登録の前に出せますか?

登録が完了して登録通知を受け取る前は税理士を名乗れないため、登録完了後に出すのが基本です。登録日と開業日が近い場合は、登録日を待ってから発送すると表記の齟齬が起きません。

前職で担当していた顧問先に挨拶状を送ってもよいですか?

連絡先の出所によります。前職の顧客名簿は前職のものであり、自分の判断で持ち出して使えるものではありません。個人的な関係で得た連絡先かどうかを確認し、必要なら前職と話をつけてから判断してください。

はがきと封書はどちらが正式ですか?

一般的には二つ折りカードを封書で送るほうが丁寧とされますが、はがきでも失礼にはあたりません。枚数と予算で選んで問題ありません。

メールやSNSでの告知だけでも失礼になりませんか?

相手との関係次第です。筆者はHPとSNSの告知のみで開業しましたが、特に世話になった前職には紙ではなく直接お礼に伺いました。手段より、相手ごとに適切な伝え方を選ぶことのほうが重要です。

まとめ:税理士の開業挨拶状は「出す・出さない」より送り先の線引きが本質

税理士の開業挨拶状は法令上の義務ではなく、出さないという選択も十分に成り立ちます。筆者は2026年2月の開業時に紙の挨拶状を出さず、HPとSNSの告知に絞りましたが、それで支障はありませんでした。

一方で、送り先の判断は文面よりもよほど慎重さが要ります。特に前職で担当していた顧問先については、連絡先の出所と、顧問先自身が選ぶ余地を残すことを軸に考えてください。そして、世話になった相手には紙ではなく直接会いに行く。この2点さえ押さえておけば、挨拶状を出すかどうかは好みの問題に落ち着きます。

開業までの手続き全体の流れは税理士開業の始め方ロードマップで確認できます。

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